結婚式にふくさは必要?──品ある大人の心得

教会での結婚式の様子。花で飾られた通路の先に、新郎新婦が祭壇に向かって歩いている情景

人生の節目である「結婚式」。
お祝いの気持ちを込めて出席する場だからこそ、持ち物や立ち居振る舞いにも気を配りたいものです。

そんな中で意外と見落とされがちなのが、「ふくさ」の存在。

「ご祝儀袋だけで十分なのでは?」と思ってしまう方もいるかもしれません。
でも実は、ふくさを使うかどうかで、その人の印象は大きく変わることがあります。

この記事では、結婚式でのふくさの役割や選び方、基本的な使い方まで、大人として知っておきたいふくさの心得をお伝えします。

なぜ結婚式にふくさが必要なの?

ふくさとは、金封(ご祝儀袋や香典袋)を包むための布のこと。
もともとは贈答品を包む「風呂敷」から発展した日本独自の文化で、礼節や心遣いを表す道具として使われてきました。

ふくさを使う意味とは?

  • ご祝儀袋を汚れや折れから守るため
  • 金封を丁寧に扱う姿勢を示すため
  • 受付でスマートに渡す所作の美しさを表現するため

つまり、ふくさは単なる「包み布」ではなく、お祝いの気持ちを丁寧に届けるための心づかいの象徴なのです。

ふくさが与える印象

結婚式の受付では、参列者のふるまいがよく見られています。ご祝儀袋をふくさに包んで持参し、静かに取り出して渡す姿は、落ち着きと品格のある大人の所作として印象に残ります。

逆に、バッグから直接ご祝儀袋を出すと、せっかくの気持ちもどこか雑に見えてしまうかもしれません。たった一枚のふくさが、その人の丁寧さや気配りをそっと伝えてくれるのです。

結婚式にふさわしいふくさの色と種類

結婚式に持参するふくさは、場にふさわしい色や形を選ぶことが大切です。ここでは、まず色選びの基本についてご紹介します。

色の選び方

結婚式は「慶事」にあたるため、明るく華やかな色を選ぶのが基本です。

特徴・意味
ピンク・ブルー・赤系明るく祝福の気持ちが伝わる色合い
慶弔両用で万能。上品で年齢を問わず使える
NG:黒・グレー・暗い色弔事向け。結婚式では避けるのがマナー

色と並んで意識したいのが、ふくさの「形」の種類です。目的や服装に合ったタイプを選ぶことで、より自然で洗練された印象を与えられます。

タイプの選び方

ふくさには主に次の3タイプがあり、用途や好みに応じて選びます。

  1. 台付ふくさ(爪付きふくさ):芯入りで形が崩れにくく、爪で金封を固定できるタイプ。格式が高く、結婚式や葬儀など改まった場に最適です。
  2. 金封ふくさ:金封を挟むだけのシンプルなふくさ。扱いやすく、マナーを守りつつ簡単に使えます。
  3. スタイルふくさ:金封を差し込むだけで使える現代的なデザイン。スリムで洋装にも合い、持ち運びに便利です。

初めてのふくさには、落ち着いた紫色の金封ふくさを選ぶと失敗がありません。

ふくさのスマートな使い方

ふくさを用意したら、実際の使い方にも気を配りましょう。受付での振る舞いや包み方には、いくつかの基本マナーがあります。

1. 台付ふくさ(爪付きふくさ)

使い方の手順:

  1. ご祝儀袋をあらかじめ爪でしっかり固定しておきます。
  2. 受付前でふくさを開き、ご祝儀袋を取り出します。
  3. ふくさの上にご祝儀を置き、表面が相手に向くようにして差し出します。
  4. 渡す際に「本日はおめでとうございます」と一言添えると丁寧です。

ポイント:
所作が整いやすく、美しい見た目で好印象。落ち着いて対応しましょう。

2. 金封ふくさ(挟み込み式)

使い方の手順:

  1. 金封を内側に挟んで持ち運びます。
  2. 受付のテーブルに着いたら、ふくさを開いてご祝儀袋を取り出します。
  3. 表面が相手側になるよう向きを整えて、両手で差し出します。
  4. その場でふくさはしまわず、列を離れてからバッグに戻しましょう。

ポイント:
シンプルな構造なので、取り出し動作をスムーズにすると上品に見えます。

3. スマートふくさ

使い方の手順:

  1. ご祝儀袋を中に差し込み、スナップボタンやマグネットで閉じておきます。
  2. 受付前でふくさを開いて金封を取り出します。
  3. 表書きが正面を向くように整え、丁寧に両手で渡します。
  4. 簡潔でスマートな所作を心がけましょう。

ポイント:
時間をかけずスムーズに使えるので、初めてでも安心。洋装にもよく合います。


どのタイプでも、「ご祝儀袋をふくさから丁寧に取り出し、表面を相手に向けて両手で渡す」という基本は同じです。大切なのは、マナーを守りながらも自然で落ち着いた所作を心がけることです。

まとめ:ふくさで伝える、大人の品格

結婚式でふくさを使うことは、「マナーに厳しい人に好かれるため」ではありません。
それは、相手を思いやる気持ちを、形にして伝えるための手段です。

たった一枚のふくさでも、そこには日本らしい奥ゆかしさや、美しい所作の文化が息づいています。

もし、これまでふくさを使ったことがなかった方も、これを機に1枚持ってみてはいかがでしょうか。
丁寧なふるまいは、必ず誰かの心に届くはずです。